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院長日誌

学会・セミナー

  • 東へ西へ

    井上陽水の「二色の独楽」というアルバムに、「東へ西へ」という曲がありますが、、、6月5日の診療が終わってから東京に向かい、土曜日の朝から技工のセミナーに参加、セミナー終了後に新幹線で大阪に向かい、日曜日の朝から近畿東海矯正歯科学会に参加、学会終了後は松本に戻って来て、月曜日は朝からデスクワーク、火曜日は朝から診療、そして水曜日は、また朝から大阪に向かい、日本臨床矯正歯科医会に出席、、、木曜日の夜戻って来て、金曜土曜と診療して、土曜の夜から私用で出掛け、、、行ったり来たり忙しいですが、これらの学会は全て聞く側で、講演準備の必要がないので、気が楽です。
     
    金曜の夜、診療が終わってから、歯科技工士の川端下君と松崎君を連れて上京しました。
    宿泊は、会場近くの格安ホテルを取り、晩御飯は3人でホテル近くの「世界の山ちゃん」で一杯やりながら、ラボの事や、自分が今考えていることなどを話しました。
    普段は忙しくてあまり話す機会が無いので、こうゆう時間はとても大切です。
    何のセミナーを受講しに行ったか、詳細は、またの機会に書きます。
     

     

    お昼御飯、鬼のような かき揚げ丼に挑戦する川端下君
     

    なかなか刺激的なセミナーで、1日が「あっ」と言う間でした。
    セミナー修了後、講師の先生に挨拶をし、川端下君と松崎君は あずさで帰路に、自分は新幹線で大阪に向かいました。
    7日の日曜日に大阪国際会議場で開催される近畿東海矯正歯科学会に参加するためです。
    東京から大阪まで新幹線では「あっ」と言う間で、大阪には20時頃到着、晩御飯は蛸の徹でたこ焼きを食べたあと、会場近くのスーパーホテルに向かいました。
     

     
    この蛸の徹という店は、お好み焼き屋のようにたこ焼きの鉄板が各席に有り、自分でたこ焼きを焼くのですが、これがまたなんとも美味しくて、やめられないのです。
    場所は大阪駅前、丸ビルの地下2階にあります。
    自分で焼くたこ焼き以外にも、焼きそばや お好み焼き、とん平焼きなど、メニュー豊富でとても美味しいので、皆さんも大阪に行く機会があれば是非行ってみてください。
     

    たこ焼き、外はカリカリ、中はとろ〜り! おむそばも美味しいです。
     

    矯正の話しに戻しますと、日本矯正歯科学会には地方学会があり、長野県は甲北信越矯正歯科学会に属しているのですが、自分が松本歯科大学の矯正科に入局した当時は、甲北信越はまだ発足しておらず、近東学会に所属していました。
    甲北信越が出来た時点で退会しても良かったのですが、近東学会というのはアカデミックな会で、送られてくる学会誌も読みたいので、そのまま会員資格を継続しています。
     

    会場の大阪国際会議場
     

    今回の参加の目的は、USCGlenn T. Sameshima教授の “矯正歯科の歯根吸収 Q&A”という講演で、この先生の講演を聞くために出掛けました。
     
    私達、矯正歯科医は歯に矯正力をかけて歯を移動します。
    歯に矯正力がかかると、歯の回りを取り囲む骨の表面に骨を溶かす細胞が出て来て、骨が融けて歯が移動し、その反対側の空いた所には、骨を造る細胞が出てきて、新しい骨が出来、この骨改造が繰り返して起こることで歯が移動してゆくわけです。
    骨は、骨折した所のように新しい骨が造られて再生するのですが、歯は基本的に再生しません。
    ですので、理想的には骨だけが融けて歯が動いてくれて、歯の根っこは吸収しないで欲しいのですが、実際には歯の根っこも吸収して短くなってしまうことがあります。
    これを歯根吸収と言います。
    通常の矯正治療では、問題となるほどの歯根吸収は起こらないことが多いですが、稀に根っこの長さが半分くらになってしまうほどの著しい吸収を認めることがあります。
    また、レントゲンでは吸収がないように見えても、顕微鏡レベルで考えると微細な根吸収は必ず認められると言って良いと思います。
    問題は、その吸収が問題となるレベルのものか、そして予測や予防をする事が出来るのか、ということです。
     
    私はいつも治療前に患者さんに説明する事柄のなかで特に歯根吸収については、
    1、歯根吸収は予測することも予防することも出来ないということ
    2、程度の差はあるが、歯を動かせば歯根吸収は必ず起こると思っていて欲しい、ということ
    3、内分泌疾患や、外傷既往のある歯は吸収しやすいということ
    4、インドメタシンや、ある種の薬剤(安定剤など)は歯根吸収を起こす原因となること
    5、遺伝的傾向があり、父母兄弟で吸収した人が居る場合は、吸収しやすいということ
    6、一度短くなった歯根は、元には戻らないということ
    7、歯根吸収が起こっても、隠したりせずに、全て知らせるということ
    などを説明していますが、自分の知識をアップデートする必要があると思い、Sameshima 教授の話を聞きに行きました。
     
    教授の講演は、12のQ&Aを含めたもので、ここに書く内容は、自分の普段の臨床経験を加えてありますので、講演内容とは少し違う部分もあると思いますが、患者さんの皆さん、若手の先生方の参考になれば幸いです。
     
    Q1:歯根吸収は本当に問題であるか?
    Q2:歯根が極端に短い歯を移動することは可能か?
    Q3:根未完成歯を移動することは可能か?
    Q4:根管治療を行ってある歯や外傷歯を移動することは可能か?
    Q5:歯根吸収のリスクのある患者さんをどうやってマネージすれば良いか?
    Q6:インプラントスクリューを用いた矯正治療は歯根吸収が顕著であるか?
    Q7:インビザラインなどのアライナーでは歯根吸収は起こらない?
    Q8:矯正治療中に歯根吸収が進行しているのを見つけた場合、どうすれば良いか?
    Q9:治療終了時に歯根吸収を見つけた場合、どうするか?
    Q10:歯根吸収は、レントゲン無しで見つけることが出来るか?
    Q11:歯頚部の侵襲的な歯根吸収はどうするか?
    Q12:短根歯の長期的な予後は?
     
    講演はまず、矯正治療で歯根吸収を起こした患者が、補綴科の2年目のドクターに「歯根が吸収しているから抜歯してインプラントにしないとダメだ」と言われたために、トラブルになりかけた症例から始まりました。
    レントゲンでは、実際には歯根吸収は若干認めるものの、抜歯しなければならないほどの状態ではなく、結局その歯は抜くことなく、今現在も抜歯することなく、ちゃんと機能しています。
     
    この症例で最も問題となるのは、知識の不十分なドクターが患者さんに正しくない情報提供をしたために、患者さんがそれを鵜呑みにした、ということです。
    私のところにも、他医でトラブルとなった患者さんが頻繁に来られますが、泣きついてきた患者さんに否定的なコメントをする際には、私見では無く、そのコメントを裏付ける理論的・学術的説明をきちんとしなければならないと考えます。
    同時に、そのコメントをするという事は、たいへんな責任がついてまわることを忘れてはなりません。
     
    査読制度のある学会誌の論文などは信頼できますが、学術的背景のない研究会などで聞きかじったような間違った知識をもとに、他医がやったことを批判するなどというのは言語道断です。
    一番迷惑するのは、振り回される患者さんであり、前医ですから。
     
    質問に対しての答は、順に列挙します。
     
    A1:まず、歯根吸収が問題となるかどうかは、どの程度吸収しているかで有り、歯の寿命が短くなるのは50%くらいである、とのことでした。これに関しては、論文を読んでみないと正確なコメントは出来ませんが、長期的予後となると当然成人患者となり、歯周病のコントロールでかなり予後は変わってくると思います。
     
    A2:私は、治療前に歯根が短い事がわかっている場合には、短い事を説明し、さらに短くなった場合は、歯の寿命が短くなることがあるということを説明した上で治療を行っていますが、それで正解でした。
     
    A3:根未完成歯については、私は基本的に矯正力をかけることは避け、根完成を待つようにしています。これは、歯根吸収の可能性だけではなく、未完成歯を動かすと、歯根弯曲歯になることが懸念されるからです。講演では、歯根吸収に関しては、さほど心配する必要は無いが、やはり根の形成がストップした症例もあるとの事でした。
     
    A4:根管治療を行ってある歯は矯正できないという先生や、根管治療を行ってある歯は歯根吸収しないという先生がいますが、これらはいずれも間違っており、失活歯でも矯正は可能ですし、失活歯だから歯根吸収しないということはありません。私の認識は正解でした。
     
    A5:自分の認識では、歯を動かせば、歯根吸収は必ず起こる、と考えています。「しない症例もある」と豪語する矯正医も居ますが、レントゲンで短くなっていないから吸収が無いとは言えないわけで、顕微鏡レベルでみれば、骨の吸収と共に必ず吸収窩が歯根にも認められます。ただ、問題となるのは、吸収が問題となるレベルかどうかということです。 私は、歯根吸収が認められた場合や、本来予期していなかった好ましからざる状況が起こった場合には、患者さんには隠すことなく、全て開示し、説明をしています。吸収しやすいような形態の歯や、外傷歯、特にⅡ級症例は、吸収の可能性が高くなるように思われますので、これらを如何にマネージするかは、治療を始める前にその可能性を説明し、同意をえてから治療開始するしか方法はありません。
     
    A6:TAD(インプラントスクリュー)を使うと歯根吸収が著しいかというと、Ⅱ級症例のように歯の移動距離が大きくなれば歯根吸収の可能性は増えますが、同一条件で比較すれば有意な差はないと考えます。これは当たり前の事で、私の認識は正解でした。
     
    A7:インビザラインに関しては、以前にSameshima先生が、インビザラインでは歯根吸収が認められない、と発言したことが有り、それ以来、インビザラインは歯根吸収しない、と言われている、しかしこれは間違った情報で、歯根吸収しないのは歯の移動が少ないからで有り、歯根を移動した症例では歯根吸収が認められた、とのことでした(当然です)。私がひろ矯正歯科のホームページのあちこちに書いているように、インビザラインをはじめとするアライナーで、通常の矯正装置を用いたのと同じ結果が得られるならば、誰もブラケットなど使わなくなります。インビザラインなどのアライナーに属する装置は、動かないから吸収しない、ここでも裏付けられました。
     
    A8:矯正治療中に歯根吸収を見つけた場合、私は、患者さんに説明して一旦、矯正力をかけるのをやめてパッシブな状態で6ヶ月ほど待ち、骨がヒーリングしてから、再度力をかけるか、そこで治療を終了とするかの判断を患者さんにして頂きます。私の行っている事は正解でした。私の私見ですが、このような症例で再度矯正力をかけて、さらに短くなった、という人は非常に少ないです。
     
    A9:治療終了時に歯根吸収を見つけた場合、患者さんに隠す先生が非常に多いと思いますが、私は隠すことなく、治療前と治療後のレントゲンを見せて説明をしています。私の臨床は正解でした。
     
    A10:歯根吸収をレントゲン以外の方法で知るには、超音波画像診断、頬粘膜の擦過標本から分析する方法、歯肉滲出液に含まれるタンパク質を検出する方法(GCF, Dentin proteinがマーカーとなる)、とのことでした。これは知りませんでした。
     
    A11:歯頚部の侵襲的吸収を認める症例、これはかなりキビシく、吸収を止めることは出来ないと認識しています。つまり、吸収が進行し、その歯は近い将来、脱落に至るということです。ただし私の経験上、この類の吸収は、外傷既往によるもので、矯正力をかけたことが原因では、普通は起こりません。
     
    A12:短根歯の長期的予後は、60代、70代まで観察していないので確かな事は言えないですが、1に述べたように歯の寿命が短くなるのは50%、歯根が短いから歯の寿命が短くなるとは必ずしも言えないとのことでした。私はいつも歯根の長さについて説明する際に、地面に刺さった杭の話しをします。長ければ長いほど抜けにくく丈夫であり、短くなれば長いのに比べれば不利かも知れない。しかしながら、長い杭でも周りの地べたがぬかるんでグラグラになれば抜ける(歯周病)、歯周病のドクターには、歯根吸収を問題だと考えている先生が多いけれども、私の意見は、歯磨きも十分に出来ないような凸凹の歯並びや、無理な力がかかるような歯並びのままいくら歯周病予防をしようと思っても無駄である、ということです。歯根吸収のリスクがあっても、歯科医師として、予防の出来る歯並びにしてあげることのほうが大切である、ということです。
     
    まとめますと、歯根吸収が起こりやすい要因としては、
     
    1、遺伝的要素、つまり患者さんの親や兄弟が吸収した場合、その患者さんも吸収すると思って良い。
    2、歯の移動距離が大きくなる、治療期間の延長、これらは歯根吸収の要因の一つとなる。
    3、成長期の患者に比べて成人患者は歯根吸収の要因の一つとなる。
    4、気管支喘息は歯根吸収の要因の一つとなる(これは知らなかったです)。
    いずれも普段私が患者さんに行っている事、説明している事は一つも間違っていませんでした。
     
    本学会で最も印象深かったのは、学会の開会の挨拶で、大阪府歯科医師会の会長である太田謙司先生が、「矯正歯科に関するトラブルが多い、原因は数回セミナーを受講しただけで安易に矯正治療に取りかかる歯科医師がいる」、と仰ったことで、矯正専門医では無い一般歯科医の先生からこのコメントが出るとは思いもしませんでした。
     
    先日、私が「不適切な矯正治療」の記事をアップしてから、不愉快に思っておられる一般歯科の先生が多いだろうと察します。
    私は、一般歯科の先生達は矯正をしてはいけない、などとは書いていません。
    やる以上は、しっかりと勉強をして、患者さんに迷惑がかからないようにして貰いたい、ということです。
     
    先日も、一般歯科で8年以上、毎週治療に通い続けたが、治らないから転医を決めたという患者さんが来られました。
    その先生のことはよく知っていますが、いつも「歯医者辞めた方が良いんじゃない?」と思います。
     
    矯正が出来ないというと、自分が歯科医師として失格であるように勘違いしたり、舌側矯正をやらなければ矯正医として半人前であるように勘違いをしている先生が多いですが、私達医療人は、自分には治療出来ない、あるいは、自分が手を付けるべきでは無いと判断した場合は、然るべき医療機関に紹介する、これが大原則の筈です。
     
    このあたりは、お医者さんはキチッとされているが、歯医者の先生は「出来ない」と言わないで「治療が必要無い」と言う先生が非常に多いように思います。
    例えば、開業医の内科の先生の所に来た患者がガンで、その先生に治療が出来ないとなれば、躊躇せずに対応出来る病院に紹介します。
    ところが歯医者の場合、例えば、埋伏智歯が抜歯できない場合、口腔外科に紹介するのでは無く、こんなものは抜かなくても良い、と言う、こうゆう事例です。
     
    舌側矯正に関して言うと、incognitoなどの装置を使えば簡単に舌側矯正が出来ると勘違いしている先生がいますが、舌側矯正は診断から違いますので、装置がなんとかしてくれるだろうと、十分な知識も無いまま治療に取りかかるのは、大怪我の元、迷惑するのは患者さんです。
     
    絶対に忘れてはならないのは、歯科医師が生計を立てるために患者さんが居るのでは無く、私達が患者さんに治療を行った報酬、診療対価としてお金をいただいているのだということです。
    医院経営、収入アップの事しか考えない歯科医師がなんと多いことでしょうか。
     
    そして、患者さんの皆さんは、矯正も「歯」だから、歯医者に行けば何処の歯医者でも同じように診てくれるだろう、という間違った認識を改めるべきです。
    歯科で標榜の認められているのは、矯正歯科、小児歯科、口腔外科です。
    すなはち、これらは専門の知識とトレーニングを必要とするということを国が認識しているということです。
    足の骨を骨折して、眼科に行く人は居ないと思います。
    眼科医が骨折を治療しても医師法違反にはなりません。
    でも、眼科医は骨折の治療をしませんし、患者も眼科で骨折を治して貰おうとは考えません。
    一般歯科で矯正治療を受け、何年も通ったあと、大変な事になっていると気付いて矯正専門医に駆け込む、こいうった事例が毎年あとを絶たないということは事実です。
     

    学会では、上記の他、Dr.Dan Grauerの “The secret behind your smile: Vertical considerations”という特別講演、会員の学術講演5題、学術展示28題、症例展示24題の発表がありましたが、Dr.Dan Grauerの講演は、電車の時間の関係で聴けなかったのが残念です。
     

    10, 11日は、日本臨床矯正歯科医会例会がメルパルク大阪で開催されました。
    日臨矯には入会して9年になりますが、毎年海外の学会と重なるために、今まで2,3度しか出ていません。
    今回は時間調整がつきましたので、参加しました。
    承継に関する演題など、聞きたい演題もいくつかあったのですが、いろいろと思う所がある例会でした。
     
     

  • 伊賀 & 日本舌側矯正学会

    11月の23、24日の連休、日本舌側矯正学会が名古屋のウインクあいちで開催され、本学会の会長の佐奈先生から特別講演を依頼されましたので、発表させて頂きました。
     
    じつは、22,23日は私用で出掛ける予定が入っておりましたので、JLOAは参加しない予定だったのですが、会長から直々にお電話を頂いたとなると峻拒するわけにもいかず、24日でも良ければ受けさせて頂きます、とお返事させて頂きました。
     
    私用というのは、まあ、趣味で三重に出向いていたのですが、趣味の空き時間に 幼少の頃から高校卒業するまでを過ごした三重県四日市〜鈴鹿あたりを散策してみました。
    四日市市内は道路が広く拡張され、小学校の頃に自転車で遊んだ浜田小学校〜港中学校あたりは、当時の面影は無く、ガラリと変わっていましたが、JR四日市駅周辺と、千代崎、鼓ヶ浦の海岸、このへんは40年前と変わらぬままでした。
    JR四日市駅、懐かしいな、、いつまでも変わらないでいて欲しいです。
     
    23日は午前中で用が済み、午後から空き時間となりましたので、そのまま名古屋に向かえば JLOA午後のプログラムと懇親会に間に合ったのですが、何故かハンドルは逆方向に、、、プチドライブで「伊賀」に行って来ました。
     
    何をしに行ったか、、、伊賀と云えば、伊賀忍法で知られていますが、目的は忍者ではなく、「ぎゅ〜」です。
    牛肉と言えば、松阪牛が有名ですが、松阪牛のルーツは「伊賀牛」だということを御存知でしょうか。
     
    以前、グルメ番組で伊賀牛のぶ厚いステーキ肉をフォークとナイフじゃなくて、割り箸で切るシーンを見ました。
     
     
    こんな ぶ厚いお肉を割り箸で切っていました。
     
    番組は一瞬チラッと見ただけだったので、何というお店かわからないのですが、まあ小さな町だし、行けばなんとかなるだろうと、何の下調べも無く向かいました。
    番組では、白石神社の近くだと言っていたような、言っていなかったような、、。
     
    でも、向かってみると、白石神社というのは、かなり人気のないところにあり、とても食事出来るところがあるような感じでは無く、Uターン。
    結局、伊賀上野の市内に戻って、街中をグルグルと1時間ほど散策。
    スマホで「伊賀牛」をサーチすると、美味しそうなお店がいくつかヒットしたので行ってみましたが、3連休の真ん中の日の お昼時だからでしょうか、何処のお店も長蛇の列で、断念。
     
    結局、テレビで見たお店はわからずじまいで、 「ぎゅ〜」は またの機会に置いといて、名古屋に向かいました。
     
    テレビで見たのは、和風の高級料亭では無く、黒っぽいカウンターの、どちらかというと入りやすそうな感じのお店でしたので、もしもお心当たりのある方がいらっしゃいましたら、御連絡頂けましたら嬉しいです。
     

    幻の 白石神社あみ焼き牛ランチ
     
    その夜は名古屋市内のホテルに泊まり、翌日の講演の準備です。
     

    翌朝は、いつもより少しゆっくり寝て、JLOAの会場に向かいます。
    講演は30分、内容は先日のインドの学会で紹介をした Mienai Lingual Bracketと、それにつづいて World Board of  Lingual  Orthodonticsについての私なりの意見を述べさせて頂きました。
    もともとは、WBLOについては触れる予定はなかったのですが、Pre-Congress courseで布川・松野両先生が、「最難関な WBLO(World Board of Lingual Orthodontists)試験に合格するための方法」、という題目でコースをされていること、そして、先日のESLO の Active memberの申請には、リンガルで治療したのではない症例を提出している日本人の Candidateがいたこと、そして JLOAが Active memberという呼称を「リンガル認定医」と変えたこと等々について、私なりの意見を述べさせて頂きました。
     
    私はこういった認定試験の審査は、Anonymousであることが絶対条件であると思います。
    いろん学会の試験が匿名を詠っていますが、本当に100% 匿名の試験、つまり、試験官が審査している症例は、誰が治療したものであるか全くわからない、同時に、どの症例をどの試験官が評価したのかわからないという100%匿名の試験は、私が知る限りありません。
     
    私が受験した頃のEBOはこの辺はかなりシビアに行われていたようですが、最近は Examiners や Candidatesに いろんな人が入り込んできて、状況が少し変わりつつあると聞いておりますし、殆どの試験において試験官は自分の審査している症例が誰によって治療されたのか等を知っており、私的感情や政治的影響力が少なからず関与していることが多いようです。
    その点、日矯の専門医試験は、過去に某大学の教授が不合格になっている事などを鑑みると、かなり公平な形で判定されていると思いますが、症例の難易度が定められていないことなど、改善されなければならない点もいくつかあると思います。
    どの学会も行っていない、完全に匿名で、万人に公平な試験にする決定的なアイデアはありますが、ここで記すつもりはありません、スミマセン。
     
    それから、日本舌側矯正学会が「Active member」という呼称を「舌側矯正認定医」と改変したことは、私は賛同できないということも述べさせて頂きました。
    なぜなら、舌側矯正は、普通の外側の矯正に比べて遥かに高度な技術を必要とし、診断能力、治療に関する知識も通常の矯正のものに加えて、数段ハイレベルなものを必要とするわけですから、外側の矯正治療でOKである「日矯学会の認定医」を持っていない者が、「日本舌側矯正学会認定医」を持っているという事は、おかしいと思いませんか?
    逆上がりの出来ない人間が、いきなりムーンサルトをやったら、大怪我するのは間違い無いからです。
    ハーレーに乗りたければ、まず、自転車を乗れるようになる、これが当たり前だと私は思います。
    ですので、こういった認定試験は匿名条件であるだけでなく、受験資資格も厳しく絞り込まないといけないと思います。
     
    さらに、日矯認定医に合格しないから、海外の試験にトライする、これはまあ基本的には自由ではあるのでしょうが、Applyする人間のモラルの問題で、そういった事は遠慮するのが良識ある歯科医ではないかな、と私は思います。
    先方の先生達にとって失礼であり、非常識です。
     
    WBLOに関しては、2010年に「もっと煮詰めてからスタートすべきである」という、いろんな先生の意見を尻目に、見切り発車的にスタートしてしまった事で、日本や韓国の先生達が、まさに世界の頂点に立てる機会を永遠に逸してしまった、その事が私は残念で仕方がありません。
    私は、WBLOは Orthodontic Boardの最高峰であるべきだと考えていました。
    それを実現するには、WBLOを持っている人間が、「自分らはトップだ」と言ったところで笑われるだけなので、きちんと整備して、誰が見ても「こいつらはクレイジーだ、こいつらはNo.1だ」と言われるような WBLOにしなければならないと 私は考えていました。
    ところが、私が何か意見すればするほど、ヒロはウザイと罪人扱いされ、挙げ句の果て、JLOA理事会に出向いたら、「廣先生来ているけど、入れていいのか」とまで言われ、何処に行っても四面楚歌、おしまいには「ヒロは除名しなきゃダメだ」とまで言われましたが、私は自分の私利私欲で言っていたのではありません。
    矯正歯科という医学の基本を遵守し、何処に出しても恥ずかしくない素晴らしい治療を舌側矯正でキチンと行っている先生がいるのだという事実、そういった臨床家の先生達に世界の矯正歯科界のトップに立って欲しかった、誰にも文句の付けようが無い Boardを作って欲しかった、それだけなんですが、、、今となってはどうしようも無いです。
     
    まあ、人生一度しか無いですし、時間も限られているわけですから、今後は自分の必要な学会だけを選んで会員資格を継続し、そうで無い学会は退会してゆこうかな、と考えております。
    認定関係については、自分は European Boardを全て舌側矯正で出して合格しているわけですから、この先は、日矯の専門医と EBOだけでOKかな、と思う今日この頃です。
     

     

    発表のあと、早々に会場を後にし、からめ亭で あんかけスパを食べて帰りました。
     

    あんかけスパはいろいろありますが、私はここのナポリが一番好きです。
     

    最後に、これは心からのお願いです。
    自分はいろんな認定試験の Examinerも、関わるつもりはありませんし、関わりたくありませんので、絶対に自分を引き込まないでください。
     
    年内の学会発表は、このJLOAで終わりですが、すでに来年の学会の準備に追われています。
    忙しい、忙しい、、。
     

    2014.12.09 追記;
    このたび、JLOAを退会したい旨を連絡しましたところ、本日、会長から退会届け受理の旨のメールを頂きました。
    今後は、出るとすれば、会員外の一般で参加させて頂きます。
    したがいまして、JLOAの「舌側矯正認定医」も、私はありません。
     

  • インド舌側矯正歯科学会 

    9月13日から16日、インドのムンバイにて、インド舌側矯正歯科学会 が開催され、特別講演を頼まれましたので、行って来ました。
     

    インドでも舌側矯正専門の学会は満員でした。
     
    じつは、インドの先生達からは、数年前から来てくれと お声を頂いていたのですが、なかなかスケジュールが合わず、毎年断っていました。
    昨年の夏頃でしたでしょうか、今回の学会の日程と招待についてメールを頂いたのですが、やはり予定が入っているのでと辞退したところ、Hiroの来れる日に学会の日程を変更するから、都合のつく日を教えてくれ、とのこと。
    そこまで言われると、断るわけにはいきません。
    ナントカ舌側矯正学会の会長なら兎も角、僕ごとき ヒラの田舎の矯正医の事情で 学会の日程を変更しちゃだめだ、なんとかスケジュール調整して行きます、と返事をしたのですが、、、まずビザの申請が大変でした。
    約1ヶ月前のお盆前に 東京のインド大使館に申請書類とパスポートを送ったのですが、待てども帰ってこない。
    電話すると、「あ〜〜ヒロさんのは、書類不備で止まったままですね〜」とのこと。
    なんてこった、電話していなければ、いつまで経っても返送もされて来なかったってこと?
    学会に間に合わないから、すぐ送り返して下さいと頼み、書類を一から作り直して送りましたが、あと1週間しかない。
    2日前になってもパスポートが戻って来ず、何度かインドビザ申請センターに電話しつつ、もしかしたら行けないかも知れない旨を ILOCにもメールをしていたのですが、電車の出発当日の朝、パスポート、ビザが戻って来ました。
    診療を午前中で終え、パスポートとスーツケース片手に昼飯も食べずに特急あずさに飛び乗りました、、やれやれ、、。
     
    羽田発 全日空機でムンバイのチャトラパティ・シヴァージー国際空港に到着、空港内は他の空港と同じなんですが、、。
    お迎えの先生を見つけ、車に乗り、ホテルに向かいます、、、街に出て唖然としました。
    空港周辺はいわゆる「スラム」(この言葉は好きではありません)で、走っているバスもボロボロ、靴を履いていない人や、服を着ていない人が道路を歩いています。
    トゥクトゥクと原チャリがバスや車の僅かな隙間を縫って、クラクションをブーブー鳴らしながら走り抜けます。
     

     

    学会が用意してくれたホテル、Hotel Lalit Mumbaiに着いて、また驚きます。
    まず、ホテルの敷地内に入るのに、成田空港のような車両チェックがあり(成田のような形式だけのチェックではなく、一台一台真剣にチェックしていました)、そして車を降りて、ロビーに入る際にも、空港と同じレベルの検査。
     

    ホテルから見る景色はこんなで、今にも崩れそうな建物にブルーシートがかけられています。
    これらは全てお店であり、住居でもあります。
     
    チェックインして、会長の Dr.Pravin Shetty、Co-chairmanの Dr.Jignesh Kothari、そしてSecretaryの Dr.Tushar Hegdeが 晩御飯に招待してくれます。
    ホテル1階のレストランに行こうと言われたのですが、僕はインド料理が食べたいとリクエストしてみました。
     

    案の定、とても美味しいディナーでした。
     
    翌日13日とその翌日は、朝から Pre-congress courseです。
    学会に招待されたときに、受けてみたい旨を伝えましたら、こちらも無償で参加させて頂けました。
    プレでも何か講義してくれ、と言われたのですが、遠慮させて頂き、2日間、聞き手で参加させて頂きました。
     

    プレコングレスコース終了時の記念撮影
     


    滞在中は、朝からインド料理を頂きました。
    美味しいからたくさん食べてしまう、、帰って来たら 5㎏太っていました、、。
     

    翌15日は、学会初日です。
    先日、イタリアのコモで開催されたヨーロッパ舌側矯正歯科学会会長の Dr.Vittorio Cacciafestaは 2D Lingualについて、インドの Dr.Jignesh KothariDr.Pravin Shettyの両先生は、CAD/CAMを使った Customized Lingual Bracketsについての講演です。
    Customized Lingualの元祖といえば Incognitoですが、開発者の Dr.Dirk Wiechmannは、現在は Incognitoの権利を3Mに売却し、現在はオリジナルのシステムで治療を行っています。
     
    今回の学会でも、他の舌側矯正学会と同じく、Incognitoの Userがプレゼンをしていましたが、今回は非常に気分が悪かったです(いつもは別にそう思いませんが)。
    彼は自分がスーパードクターだと言わんばかりの講演で、私は、「クラシックカー」だと馬鹿にされました。
    自分が這い上がる手段として、人をおとしめたり、人を馬鹿にしたりする。
    負けて悔しいなら、人一倍努力すれば良いことで、ひとの邪魔をするべからず、それが私の考え方であり生き方です。
    学会という公の場で こうゆう事を平気で言う「奴」は、人間的レベルも、矯正学的レベルも推して知るべしで、私に言わせれば、 Incognitoは 彼が考えたわけでもなく、ただのユーザー、それを宣伝して回るというのは、3Mのinstrumentにすぎない。
    診断はコンピュータに委ね、装置は prescriptionから何から何までメーカーが作ったものを使用し、治療に用いるワイヤーもまたメーカーがベンディングマシンで屈曲したものを入れる。 Bending freeだとか、Low profileだとか、Classic carだとか言う前に、矯正歯科の基礎から勉強しなおせよ、と言いたいです。 なぜなら、彼の治療は矛盾だらけで、歯科矯正学という学問の基本原則をも守っていない。
    学会で人の事を馬鹿にする前に、日本に来て、恐ろしいハイアングル、 恐ろしい叢生の症例を治してみろ、と言いたいです。
    日本の矯正専門医の先生方は、僕の言っている意味は容易におわかり頂けると思います。
     
     
    翌16日は学会2日目、10:30から30分間、僕の出番でした。
     

     
    新しいリンガルブラケットの紹介と、全て自動化する事の危険性についてお話ししました。
    そうです、昨日の彼に意見をいうために、朝からプレゼンを作り直したのです。
    でも、彼は会場に居なかったようですが、、。
     

    別にジョブスの真似をしているわけではないんですが、質疑応答で答えている時は、こうなりました、、。
     


    講演を終えて感謝状を頂き、すぐにチャトラパティ・シヴァージー空港に向かい、帰路に就きました。
    翌日からは、いつもどおりビッシリと予約の入っている患者さんの治療に戻りました。
     
    今回の学会も観光など一切無しの仕事オンリー、世間には「学会」という名目のもとに観光旅行をしている先生もいますが、自分ものんびり観光したいなあ、、、。
     


    Presidentの Dr.Pravin Shetty
    お招き頂いたことを心から感謝します。
     
     

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